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『星くずの殺人』 
広島県立広島叡智学園中学校
佐藤 碧(中3)

 


 この本は夏休み中に地元の書店で見つけたもので、表紙のイラストに惹かれ特に何も考えず手に取った。実際に読んでみると、宇宙という壮大な舞台設定、ストーリーの疾走感・緊張感や緻密なトリックがとても魅力的な物語で、あっという間に読み終わってしまった。そんなこの本の魅力を多くの人に知ってもらいたいと思い、今回題材として取り上げブックトレーラーを制作した。
 作品制作にあたって、実写だけ・絵だけに頼りすぎないこと、読んだときに「そういうことか」と思ってもらえるような本に関するヒントを自分の作品中に散りばめることに重点をおいた。


審査員から
 

 

この作品は、映画のようなワクワク感を与える導入部、効果的な文字やBGM、そして工夫された構成で、すぐに本を手に取りたくなります。

特に、効果音の使い方や独自のビジュアルが印象的で、一人の少女の存在や真相についての好奇心を掻き立てます。

最優秀賞

優秀賞

『滅びの前のシャングリラ』
広島県立広島叡智中学校
潮海晴子 城崎心美(中3)

今回の制作では、『滅びの前のシャングリラ』という書籍を選択しました。これは、地球滅亡というファンタジーなテーマに対し、語られる内容がリアルで内容が胸に刺さったからです。この作品では、絵を使わず、実写の素材を多く使うことを意識しました。このことによって書籍の内容が現実よりであり、実写の素材で情報を伝えた方がより強くメッセージを伝えることができると考えました。物語のイメージをより強く伝えることができれば幸いです。

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』 
広島県立広島叡智中学校
大村花楓(中3)

この本を選んだ理由は、私たち全員、良くも悪くも正義を持っているということを知れたからです。それは、この本の登場人物全員がそれぞれの事情を持って、それぞれの正義を貫いていることから学ぶことができました。作る過程で工夫したところは、マッチ売りの少女のシーンで読めないフォントを使い、途中から読めるはっきりとした明朝体に変えたところです。そうすることで、彼女の正義ができたこと、彼女が良くも悪くも変わったことがわかるようにしました。

準優秀賞

『青春の帝国』

​広島県立広島叡智学園中学校

尾﨑さくら(中3)

 

この本を選んだ理由は表紙が魅力的だったからだ。作品の工夫点は自分のイラストと写真を織り交ぜたことだ。情景描写はリアルな写真の方が良いと思ったが、主人公の様子や言動は自分の手で描いた方がわかりやすいと考えた。おすすめしたいポイントはイラストの変化だ。読み手が本の内容を想像しやすくなるような絵を描くことを心がけた。

中学生部門 総評

 

辻 貴司先生

 

シンプルに「この本、読んでみたい!」と思わせる作品が多かったと思います。本を読んで制作者が感じたであろう物語の世界観が、イラストや映像の選び方・効果音・テロップ・ナレーションなどの工夫によって、うまくブックトレーラーに落とし込めていると感じました。本への愛情を感じられた作品たちでした。

西澤 廣人先生

日常の中で、何をどう見ているのかが作品作りのカギとなる。忙しい中学生活の中で、自分が興味を持ったものにハマる時間を大切にして、自分でも作り出してみることを中学生の時期に挑戦することができた人は幸せです。

西山 光子元編集長・現出版プロデューサー

いずれの作品も完成度の高さに驚かされました。選んだ一冊をどのように人に伝えるかをテーマに、写真、動画、文字や絵、音楽、音声などの多方面からのアプローチがうかがえ、甲乙付けがたい作品ばかりでした。短い作品は最初と最後の印象が大事ですが、この点についてもどれも最初から引き込まれ、最後はどうなるのだろうと結末を予感させる構成になっていました。オリジナルを大切にしながら、どうしたら人にわかりやすく伝えられるか、このことを忘れずに作品作りに励んでください。

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