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2024
高校生部門
受賞作品


最優秀賞
 

『流浪の月』

埼玉県 埼玉県立芸術総合高等学校

田中小雪(高1)

 

この作品は私の人生における価値観を大きく変えてくれた作品だと思っています。名前の付けられない関係も沢山あって、その人自身にしか分からないことがある、ということを教えてくれました。制作時は、この本自体の世界観を表現することに苦労しました。主人公の心の変化や、それに応じて見える景色はどんなものなのか、想像して制作することを意識しました。私の作品をきっかけに「流浪の月」に興味を持ってくれる方がいてくれたら嬉しいです。


審査員から
 

 

シンプルな絵と文字、BGMのみで構成され、主人公の心情をナレーション無しで巧みに表現しており、視聴者を物語の世界に引き込んでいます。ただし、やや控えめな印象も受けるため、ナレーションを導入するとさらに良い作品になりそうです。


優秀賞
 

『わたしのわごむはわたさない』

埼玉県立芸術総合高等学校

髙橋莉乃(高2)

自分だけのものが欲しかった女の子が、わごむを見つけて妄想を広げる、なんともほんわかしていて楽しくなる雰囲気が好きなので、この本にしました。そして、主人公が小さな女の子というのもあり、声や文字は少しくずしてみたり、本での文字やイラストは全て手描きだったので、手描きにこだわりました。女の子といっしょに「わごむのたのしさ」をこの動画で感じてもらえるよう、たくさん工夫しました。

『こころ』

AICJ高等学校

饒美佳 井口蒼来(高2)

日本の名作とも言われる夏目漱石著の「こころ」を選ばせていただきました。2分という短い間の中でいかに読み手の興味を引けるのか、作品全体のテンポを意識して作りました。この本は内容がとても多いので、どこにフォーカスしていけばいいのか迷いましたが、なんとか形にできてよかったです。自分たちで画像や音を編集したりして達成感も満載です。今回の経験を活かして、また次に繋げる作品になれればいいなと思っています!

『セメント樽の中の手紙』

埼玉県立芸術総合高等学校

市川 太陽(高2)

プロレタリア文学は文芸派閥ではなく一種の社会現象である。その特異性に惹かれブックトレーラーの題材に選んだ。制作時には当時の時代性を反映することを念頭に置いた。昨今は過労死や様々なハラスメントなど、この令和の時代にも関わらず労働問題が増加している。であるなら、今こそ再度労働者は立ち上がるべきなのではないだろうか。


準優秀賞
 

『かがみの孤城』

鳥取県立鳥取工業高等学校

林 陽向(高3)

この本を選んだ理由は、チーム全員がこの本を読んだことがありこの活動を通してもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思ったからです。作品を作っている中でチームの人たちとどうしたらこの本を読んでみたいなと思えるようになるかを話し合い、すれ違いもある中で全員が納得し、いい作品だと思えるものができたと思います。工夫した点は、限られた画像の中でいかに再現できるかを重点的に頑張りました。チームとしての絆も深まりやってよかったなと思いました。

『蛇行する川のほとり』

埼玉県立芸術総合高等学校

庭野 心花(高2)

私は、この作品に登場する、少女たちの美しさや賢明さに魅力を感じたため、選びました。秘密を持った彼女たちの言動には、思わず憧れてしまうような、強い意志があると感じます。彼女たちの夏合宿の空気感や、ノスタルジックな雰囲気を伝えたいと思い、シンプルな構成にしました。また、クレヨンで描いた絵を使用して、日常とは離れた、不穏な様子を表しました。

『ゴールデンスランバー』

大妻高等学校

横内 結香(高2)

今回この本を選んだのは、さまざまな情報が入り混じっている現代社会で情報の真偽や冤罪について今一度考える必要があると思ったからです。この本を紹介することで、今の日本について考えるきっかけになれば良いなと思い、今回の動画を作成しました。 作品を作る際には、できるだけ不気味さを出せるように画像や文章を工夫しました。また、誰の視点からの文章なのかによって背景の色を変えるという工夫をしてみました。

『こばなしけんたろう』

埼玉県立芸術総合高等学校

上條 心晴(高2)

理想の自分が形になる描写に魅力を感じたのでこの本を選びました。断片的な映像の表現と音の強弱を工夫しました。


佳作
 

『ドアD』

鳥取県立鳥取工業高等学校

福山 竜ノ介 政田 修吾(3年生)

この本を選んだ理由は、内容がとても読みやすい構成でできており、動画作成にあたって初めて読むメンバーでも動画作成に協力しやすいと思ったから。また、作品視聴者に読んでみたいと思ってもらえるような動画を作るのに適していると思ったから。 ブックトレーラーを作る際に工夫した点は、臨場感や期待感を出すために制作メンバーで登場人物の声を演じたり、効果音やBGMを用いて作品の雰囲気の起伏をわかりやすく再現したところです。

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』

佐賀星生学園

福島 知菜(高1)

この作品を読んだ時、自分はとても幸せな世界に生きているんだな、と改めて実感させられました。最初はひねくれていた主人公が周りの人たちと関わることで、強くなっていく姿がとても印象に残っています。「あたりまえ」のありがたさや大切さを教えてくれた作品なので、たくさんの方に読んでもらいたいと思いこの本を選びました。  ブックトレーラーを作る際には、背景の画像にこだわりました。特攻隊が登場する作品なので空の画像を使おうと思い、自分で空の写真を撮影しました。また、印象に残っているセリフや言葉を強調することで注目してみてもらえるようにしました。

『グッバイ宣言』

佐賀星生学園

北村 友唯(高2)

私がこの本を選んだ理由は、この本の主人公と私が似ている性格をしていて、その主人公が天真爛漫な女の子と出会ってから様々な経験をして人生の決断をしたという物語から主人公の心情や行動の変化を見て私もこの本の主人公のように変われるようになりたい、夢をみつけたいと思うようになり今後の人生の生き方にすごく影響を与えてくれたからです。このブックトレーラーでは登場人物が誰か分かりやすいようにイラストを加えてみたり、効果音やBGMを場面ごとに入れたりと工夫を重ねて作りました。

高校生部門 総評

辻 貴司先生

 

制作者の遊び心やこだわりを強く感じる作品が多かった印象です。その熱量は、見る側にも伝わってきます。それだけで十分に魅力的なのですが、やや必要な情報や説明が不足していて、もったいないなと感じる作品もありました。動画のこだわりと、未読の人たちへの配慮が両立した作品には、より訴えかける力があるように感じました。

西澤 廣人先生

 

高校生の作品は、それぞれの得意を活かし、追求しているので表現のレベルがとても高い。BGMや効果音の選択や、音を使うタイミングもよく考えられている。印象的なオープニングの作品も多い。さらに上にいくためには、読みたくなるにはどこまで伝えてどう映像を終わりにするかと、全体のバランスや統一感をどうするか。今後の作品も期待しています。

西山 光子元編集長・現出版プロデューサー

たいへん完成度の高い作品が集まりました。どの作品も本の意図するところを深くとらえ、自分なりの思いをしっかり表現しています。特に映像と文字のバランス、ナレーションの入れ方などが秀逸で、驚きました。物語の結末がどのようになるのか、どの作品も手にとってみたくなります。制作するときは、短い時間のなかでどこを強調すると印象に残るかを考えながら行うと、さらに質の高い作品になるでしょう。

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